不動産クリニックの特長、他社との違いなどについて、主席不動産ドクター・鈴木豪一郎が語ります。
他の不動産会社は、売買/分譲/賃貸/管理とそれぞれ役割が分かれていることが多いのに対し、私たち不動産クリニックは、それら不動産取引に限ることなく、不動産にまつわるお悩みや諸問題に対し真正面から取り組んでいく姿勢でいる点が大きく異なります。
それは、私たちの事業目的が不動産物件の売買や賃貸借の仲介で手数料を得ることのみにあるのではなく、なにかと困ることが多い「不動産における悩みを解消すること」にあるからです。頭痛や発熱などの悩ましい症状が起きたらクリニックに駆け込むように、不動産に関することで悩ましい問題が起きたら駆け込んでいただきたい。そんな思いで“不動産クリニック”と称しているのです。
喘息のある御客様が、空気の良いところに住み替えたいという要望で転居のご相談を受けたことがあります。そのお客様は、別の不動産会社から勧められた物件が気に入っておられたのですが、セカンドオピニオン的にアドバイスが欲しいということでした。
さっそくお客様とその物件を見に行きました。夏の盛りで、お客様にはクーラーのきく車内で待っていただき、プロの目で様々チェックして問題はなさそうと判断して車に戻った時のことです。少し離れたところに銭湯の煙突が見えたのです。そこでまた私はお客様を待たせ、その煙突のある銭湯に行き、銭湯のオーナーと話をしました。結果、その銭湯は昔と違って今はガスでお湯を焚いているので、煙突からは水蒸気が出るくらいだからぜんそくには影響がないと確認できました。車に戻ってそう報告し、『この物件でも問題ないと思います』と申し上げると、お客様は泣き出されてしまったのです。営業目線ではなくそこまでやってくれるのか、と感激していただいたようです。
家を売るのが目的ではなく、お客様の『問題解決をする』(この場合で言うと喘息の悪化を防止する)ことが目的ですから当たり前のことをしただけなのですが、そのようにお客様の立場に立って考え、ケアすることに徹しています。
ちなみに、そのお客様とも既に7年以上のお付き合い。近くを通ると時々、『喘息の具合どうですか~?』なんて挨拶します。医者じゃないのにね(笑)。
なかなか物件が売れない、空室が埋まらないというお悩みがよく持ち込まれます。そうした場合、他の不動産会社では「景気が良くないから、価格を下げるしかない」という話をするだけのところもある、と聞きます。
私たちは、該当するエリアの物件情報を数十軒ほど集めるとともに、実際に現地に行って物件を見て回ります。それだけでなく、いくつかの地元の不動産業者に飛び込んで、お客様の物件について意見交換をします。そうして情報を総合的に集めた上で分析し、対応策をご提案しています。その際には、“収益の最大化”と“損出の最小化”に向けてのご提案をします。たとえば、貸し出す物件の入口近くに飲み物の自動販売機を置けば、年間これぐらいの収益が見込めるので、それを積み立てて修繕費用の足しにしましょうといった提案まで盛り込みます。この調査や提案づくりには数日かかりますが、ここまでやっている不動産業者は他にないのではないかと自負しています。
不動産取引には法律や税金、建築上の目線など、専門的な事項が絡みあっています。トラブルも起きやすく、こうしたことを迅速かつ的確に解決していくには専門家の知見や経験が欠かせません。そこで、私たちは弁護士や司法書士、税理士など関係が深い専門家と緊密なネットワークを構築し、必要に応じてチームを組んで対処しています。
このネットワークではお互いに仕事を紹介し合っているのですが、その際に金銭的なキックバックなどはご法度にしています。それをやると、単にお金儲けが目的の集団に陥ってしまう恐れがあるからです。その代わり、我々はお互いに相手の評判が高まるような仕事の仕方を意識しています。そうすることで、結果的にお客様へのサービスの質を高めるとともに、それぞれのビジネスの成功に結びつくと確信しているからです。このことを、みんなで“心と体のキックバック”と呼んでいます(笑)。
“不動産クリニック”とはなにか、わかりにくいかもしれません。一言でいえば、お客様の命の次に大切な資産の健康をお守りする“個人向けコンサルタント”です。問題が起きないように、問題をリカバーするために、資産の健康を増進するために、それらがひいてはお客様の安心で健やかな生活をお守りするために、私たちは存在します。