鈴木豪一郎のブログ|不動産クリニックの常盤不動産

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不動産ドクター通信 vol. 31~ 法改正 によって 安心した相続対策を

これまで40年弱の間、相続法については大きな改正はなかったのですが、

来年の民法大改正に先駆けて来月7月1日から相続に関連する法律が改正されて施行されます。

 

基本的には相続発生後の対応についてですが、

私が注目しているのは生前対策である「遺言書」に関する2つの法改正です。

1つは今年1月13日より施行されている「自筆証書遺言方式の緩和」、

もう1つは来年7月10日から施行される「法務局による遺言書の保管」です。

 

遺言書には主に「①自筆証書遺言」「②公正証書遺言」「③秘密証書遺言」の3種類があり、

よくテレビなどで

「遺品を整理していたら遺言書が見つかった」

「生前から自分に何かあったらこれを読むようにと遺言書を渡されていた」

と出てくるのは、「①自筆証書遺言」です。

 

一番多く利用される作成方法である自筆証書遺言ですが、書く上でのハードルになっていたのは、

「すべての財産を自筆で書かなければいけないので面倒」

「もし紛失してしまったら」

「もし誰かが改ざんや処分してしまったら」

などの心理的なものです。

 

確かに不動産を複数所有していたり、生命保険や株式など様々な相続財産を所有していたりした場合、

一つずつ自筆で書くのは大変な作業です。

 

今回の法改正により、別紙で財産目録を作成してその紙に署名捺印し、

遺言書には「別紙目録一及びニの不動産」等と記載することで、遺言書の条件を満たすことが可能になりました。

 

そして、これまではその遺言書を基本的には個人で保管する必要がありましたが、

来年7月10日以降は法務局での保管を依頼することができるようになります。

原本や書面のデータが保管されることで紛失する可能性がなくなり、

原本の改ざんや故意に処分することはできなくなります。

相続発生後は遺言書を裁判所に持っていき、「検認」という手続きが必要でしたが、

法務局で保管していた場合は検認も不要となります。

 

ただ、遺言書を残すこと自体に対する心理的なハードルが最も大きく、

「遺書を書くみたいで気分が悪い」

「何だかもう死ぬみたいで嫌だ」

という声を多く聞きます。

 

私も相続の勉強をするまでは同じようなことを考えていましたが、学ぶにつれて考えが変わっていき、

現在は「自分に万が一のことがあった場合、伝えられないメッセージや想い、考えを記録に残しておくこと」

だと考えています。

生命保険は「自分に万が一のことがあった際に家族を守る」という想いを持って加入します。

 

お子様を高校や大学に行かせるのは、

「自分がいなくても自立して生きていけるように」と願う気持ちからだと思います。

同じように、家族を想う気持ちはそれぞれあると思います。

その気持ちを記しておくものと考えると、

少し心のハードルが下がるのではないでしょうか。

 

ちなみに、私自身も微量な財産ですが、経験も踏まえて遺言書をしたためています。

不動産のように分けにくい財産をお持ちの方は、

年齢に関係なく必要なものであると感じています。

 

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リーシング事業部 部長

三好 貴大

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