鈴木豪一郎のブログ|不動産クリニックの常盤不動産

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賃貸管理事件簿Vol.25【知っているようで知らない「境界」の話】

今年も早いもので1年が終わろうとしています。

私は年末に翌年の目標を立て、新年明けたら1年分ダラダラ過ごして心機一転仕事へ取り組みます。

ちなみに私の誕生日は1月1日の元旦なので皆さんに覚えていただけるのですが、

いざ当日になると「明けましておめでとう」でかき消されて忘れられてしまうことが毎年恒例です・・・。

 

そんな一つの区切りがそろそろ近づいていますが、不動産の区切りといえば「境界」です。

実は「境界」という言葉の中には2つの意味があり、【①所有権界】と【②筆界】です。

①所有権界とは、現実的に所有している範囲の境界のことで、

②筆界とは登記簿上の所有範囲を示す境界のことです。

不動産業界では、登記簿上の境界と現実的に当事者が認識している境界が異なっていることもあるのです。

 

例えば、隣地の地盤改良に伴って重機が出入りする際には境界を示すプレートなどが動いてしまった、

先代は敷地を隔てる擁壁の真ん中が境界だと思っていたら、擁壁の幅分はすべて自分のものだと認識していた、

土地家屋調査士が測量をミスしてしまったなど、様々です。

 

境界を決める際は土地家屋調査士が測量を行った上で

対象の土地や隣地の土地の所有者と話し合い境界を決めていきますが、

中には話がまとまらないケースもあり、

裁判を行わないで境界(筆界)を決めることができる

「筆界特定制度」というものも存在しています。

 

東京では例がないようですが、

地方では「代々この大木の真ん中が境界なのだ」と言い伝えられているケースもあり、

大木が小さかった頃にはどこが真ん中だったかも特定できないため、

「ここからここまでの50cmの間に境界が存在する」と定める「幅による確定」というものもあるようです。

 

現地で境界を判別する際には隣地との間や道路と土地の間に見かける目印があり、

主に「金属鋲」「金属プレート」「コンクリート杭」「御影石」「刻印」などが存在しています。

 

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金属鋲 

 

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コンクリート杭

 

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御影石    

 

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金属プレート

 

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刻印

 

こういったことを知ると、ご自身の物件や道を歩いていても

「ここの境界にはこれがあるんだ」

「金属プレートの矢印が擁壁の真ん中を指しているということは一部越境しているんだ」

と楽しくなるかもしれませんね。

 

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